ホテルスタッフがこっそり教える淡路島のおいしい情報ブログ:淡路島洲本温泉海月館

淡路島で創業80年を迎える老舗ホテル旅館・海月館のスタッフがこっそり教える淡路島のおいしい情報をこつこつとご紹介。TVや雑誌に紹介されない情報もあるかも?

淡路島の朝ごはんがユーザー投票近畿1位に!「島の朝ごはん」とは?海月館料理長インタビュー(前編)

      2017/01/17


旅行に行く最大の楽しみと言えば、なんといってもグルメ!
日本人の旅行動向を調べる調査でも毎年不動の1位を誇るのが、地元の美味しいものを食べることなんですね。

確かに私も旅に出るときは、まず旅先で何を食べようかと考えます。欲張りな私、いろいろ食べたいので、旅行中何回食事ができるかな?と考えて、その限られた回数の中でどこで何を食べるか?を一生懸命調べて悩む。そんなことを計画するのが、一番の楽しみだったりもします。

逆に食べたいものが先にあって、旅行先を決めたりということも多いです。
淡路島だったら冬に3年とらふぐ食べに行きたい!とか、
夏に赤ウニやハモ食べたい!とか、
淡路島牛丼や生しらす丼や日本一の淡路島バーガーと言ったB級グルメの食べに行きたい!とか。

生しらす丼

いろいろありますね。

そう淡路島バーガーといえば、ご当地バーガーの祭典「とっとりバーガーフェスタ」で2013年に全国1位、2014年に全国2位になり、休日連休はもちろん、平日にもたくさんの方が目指して淡路島にお越しのようです。すごいですね!

で日本一といえばコレ!

楽天トラベル朝ごはんフェスティバル(R)2015に参戦!

楽天トラベルさん主催の日本一の朝ごはんを決めるビッグイベント!、朝ごはんフェスティバル(R)(以下朝フェス)です。
今年は過去最多の1000を超える全国のホテル・旅館などが参戦。全国の選り抜きの朝ごはんが人気投票、そして著名料理人、料理研究家などによる実食審査をへて、真の日本一美味しい朝ごはんを決定するんです。

そんな朝フェスの第一関門「ユーザー投票」で、さる淡路島の朝ごはんメニューが並み居る強豪をおさえ、初の近畿地区1位を獲得したのです。

どんなメニューなのか、知りたいですよね?(私も知りたいです)

近畿地区1位の朝ごはんメニューはこちら!↓

と、その前に。w

このメニューを考案した淡路島の洲本温泉 海月館の河津料理長に、このメニューの誕生秘話をお伺いしました。

海月館河津料理長ロングインタビュー

ryoricho580(淡路島洲本温泉海月館 河津料理長 海月館個室料亭にて 撮影:栗原昌広)

老舗旅館の朝食危機?時代の流れに取り残されていた。。。

河津料理長:以前の海月館の朝食は良く言えば昔ながらの、悪く言えば何の特徴もない、いわゆる旅館の和朝食やったんですね。淡路島の海の幸を活かした夕食の会席は以前から人気でクチコミも、ありがたいことに良い点を多く頂いております。でも時代の流れというのは厳しいもんで、他のホテルさん旅館さんが、趣向をこらした朝食をどんどん出されてる中で、うちの朝食は古くなってしまってたんですね。夕食が美味しかったから、朝食もさぞ美味いやろと思われた方が、なんか普通、、、とがっかりしてしまう。そんなお声をたくさんいただくように、いつのまにかなってしまってたんですね。実際に2ヶ月前まではネット上の朝食のクチコミもどんどん下がって、これはあかん!という状態やったんです。

(そうだったんですね。)

河津料理長:朝食というのは宿での滞在の最後のサービス体験。その印象が悪ければ、せっかく今まで良かった宿の印象が、場合によっては台無しになったしまうくらい重要なんです。もうこのままやったら朝食だけやなくて、宿全体の評判を落としかねない。ここだけの話、2ヶ月前まではそんな危機的な状況やったんです。

(私も以前の朝食は頂いたことありますが、決して不味いというものではなかったですよ。でも確かに典型的な和定食って感じではありました。どこでも食べれるような。)

河津料理長:そう。決して美味しくないものを出していたわけやないんです。でも、やっぱり普通すぎた。それが徐々に今のお客さんの望むものとは違ってきてたんですね。もうこれは変えていかなあかんと。ただ私だけの考えでメニューを根本的に変えたり、サービス方法を変えたりというのは、なかなか難しいんです。各部署が集まるミーティングで、朝食の問題は話題に上がり続けていたんですが、なかなか話が前に進まなかった。

(そうだったんですね。大きな組織というのは難しいものなんですね。)

朝フェスをきっかけに「朝ごはんリニューアル計画」がスタート。奇跡の復活?!

河津料理長:「朝食をもっとお客様に喜んで頂けるものに変えよう」というみんなのモチベーションをあげる必要があったんです。そんな時に楽天さんから7月末に朝フェスがあるんで参加しませんか?というお声がけがあった。ウェブ集客の担当者も「どうせ変えるなら日本一を目指せるようなものをやりましょうよ!」と応援してくれ、朝フェスをきっかけに「海月館の朝ごはんリニューアル計画」がはじまりました。

(おお!なんか盛り上がってきましたね。)

河津料理長:常務、支配人、フロント、サービス、調理場、ネット、さまざまなスタッフと検討を重ねて、最終的に今までの和定食のスタイルを180度変更して、ビュッフェスタイルに転換することに決りました。ウチくらいの規模の旅館が朝食ビュッフェをやるとなると、品数も種類もそれなりに用意しないといけない、もちろん朝食ビュッフェのレイアウトや資材などなど、初めての事だらけで、他のホテルさんに勉強に行ったりと、本当に大変でした。

(はい。)

河津料理長:そんな中でやはり淡路島の旅館なんやから、淡路島らしい名物メニューが絶対いるというのは最初から考えていて、「島の朝ごはん」というテーマで島の食材を活かしたメニューを、ビュッフェという制約があるなかでも「本当に美味しい」「島らしい」朝ごはんをいくつか考えてメニューに加えました。事前にスタッフや関係者で試食会を開いて、いろいろな意見を聞いて改良を加え、最終的に50種類以上のオープニングメニューを準備しました。洋食も和食もありますので、その全てが淡路島らしいものにはまだなってはいませんが、ポイントポイントで「島の朝ごはん」を配置して、全体として「淡路島らしい」朝食ビュッフェにできたんやないかと思います。

(なんかお腹が空いてきちゃいましたね。)

ryorityou2

河津料理長:そんな「島の朝ごはん」ビュッフェメニューの中から一番の自信作「島たまねぎとしらす海鮮ちらしごはん」を「朝フェス」に出品しました。出品と実際のお客様への提供が同タイミングだったので、毎日のお客様の反応と、web投票を同時に見ながらでしたので、どきどき感が2倍でした。w 実際のお客様の反応は上々で、このメニューはそれ程たくさん作ることができないので数量限定とさせていただいてますが、出してもすぐになくなってしまう程の人気メニューになっています。併せて朝食全体の満足度も徐々にですがアップしてきている様で、ホッとしています。

朝ごはんフェスティバル(R)2015、WEB人気投票の結果は?

(実際のお客さんの反応が一番嬉しいですよね。で朝フェスの結果ですが?)

河津料理長:いやなんというか。。。。エライ事になってしまって。。。

(にやにや)

河津料理長:はい。全国からの投票を頂き、ユーザー投票で近畿エリア第1位という結果に。部門別(粥・寿司部門)では全国3位という予想外の結果です。全国7エリアのトップ5が第2ステージの実食対決に参加できるのですが、という訳で9月15日の西日本大会に参加が決定しました。ありがとうございます!

(淡路島の施設ではもちろん初の地区大会進出で、しかもトップ通過という快挙。)

河津料理長:日本一を目指すぞ!とスタッフ一丸となって、新しい朝食づくりに取り組んきましたが、いきなりこれほど多くの応援をいただけるとは夢にも思っていませんでしたので感謝の気持ちで一杯です。何年も連続で出場しているホテルさんや、他の施設さんの朝食も全部美味しそうなので、果たしてどこまで戦えるか分かりませんが全力で頑張りたいと思います。

ということで「朝フェス」ユーザー投票近畿1位の朝ごはんはこちらです!↓

朝フェス2015本館 『島の朝ごはん~島たまねぎとしらす海鮮ちらしごはん』
http://travel.rakuten.co.jp/special/asafesta/2015/nishinihon/result/

ということで再び、海月館河津料理長にご登場いただいて、メニューの説明をしていただきましょう。

(なんというか彩りがとてもきれいなちらしですね。中身はどんな感じなんですか?)

河津料理長:島の朝ごはんと謳うからには、なるべく淡路島のよいものを使って、ここだからこそ、淡路島だからこそを味わっていただきたい。そんな思いでお米はもちろん、釜揚げしらす、イカ、タコ、サザエなど島の旨い海鮮、淡路島名物の糖度たっぷりの淡路島たまねぎ、卵、野菜類、更には天然醸造の島の醤油やすし酢など調味料にいたるまで淡路島産にこだわっています。まあ、とりあえず召し上がってみてください。

シャリの味付けにこだわりが。。。その誕生秘話とは?

(美味っ。これシャリの部分って言うんですか、普通のちらし寿司とは違って、全然甘ったるくない。すごく旨味があるのにさっぱりしてていいですね。)

河津料理長:さすがですね。実は今回もっともこだわってるのがこのシャリの部分の味付けなんです。このシャリの味付けはバージョン2.0で、最初はすし酢を使った普通のものやったんです。で朝食ビュッフェに出してみたら、皆ごはんの部分を取らずに、上の具ばっかりとってシャリの部分だけが余ってしまってたんです。w

(笑)

河津料理長:で、これは何とかならんかなあと思って、今回の朝フェスチームの核になるようなメンバーで試食会を再度開いてみたんです。で色んな意見を貰った中で、シャリが甘すぎて、具とのバランスがちょっと合ってないんじゃないだろうか?シャリの味をもう少しさっぱりさせたらどうだろう?という話が出てきて。。。

(はい)

河津料理長:でも、すし酢を弱めただけだとあまりにインパクトがないので、バージョン1.0はいわゆるかやく的な甘めの具に普通にすし酢というものだったんですが、これを薄めのすし酢に青じそ、胡麻、そして淡路島たまねぎのピクルスを入れて、そこにひみつの隠し味(これは内緒)を加える事で、シャリの部分の味が格段に美味しくなり、加えてしらすやイカ・タコなどの海鮮との相性もバッチリな朝から食べても「重くない」朝ごはんらしい爽やかなちらしになったんです。

(中に淡路島たまねぎのピクルスが入ってるんですね。サクッとした食感と爽やかな酸味と甘味がシャリの味を惹き立ててます。ところでその秘密の隠し味が気になりますね~。こっそり教えて下さいよ。)

河津料理長:それは秘密です。w でシャリの味をさっぱりとさせたことで、ここに更に何か調味料を加えて、味を変えて楽しんだりできるんじゃないか。という意見も出てきました。そこで淡路島の海水から作った自凝雫塩(おのころしずくじお)をかけてみたらと提案したら、スタッフからこれに酢橘の皮を擦って食べたいという声があがって試してみたんです。これが酢橘の爽やかさと塩の旨味が合わさって、そのままでも美味しいちらしが更に別次元の美味しさに変身して、スタッフからも大好評で即採用になりました。

調味料

(これがその「すだち塩」ですか。あっ確かにこれはさっきとも味が変わって旨いですね。塩自体も甘みがあってうまいし、それがすだちのキリッとした爽やかさと合わさって、ちょっと食べたことのない味ですね。うん。これは旨い!)

河津料理長:そうなんですよ。スタッフもふくめ、数回に分けて、かなりたくさんの人に試食してもらったんですが、この「すだち塩」は好評で「売ってないの?」って聞く人もいるくらいで。これは島らしい新しい食べ方ができたんじゃないかと思います。

(いやほんとこれは旨いっすね。ついつい食べ過ぎてしまいます。)

河津料理長:で、すだちの皮だけ使うのはちょっともったいないなと思ってて、他のスタッフからの「海鮮がのってるから、そのままや塩でも美味しいけど、やっぱり私はお醤油がかけたい。」って意見とあわせて、じゃあ、すだちの果汁を島の醤油に絞って「すだち醤油」を作ってみたんです。

(さらに3つめの味が出てきたんですね!一度に3つの味が楽しめる。いいですね。)

河津料理長:淡路島の隣の徳島では何にでもすだちをかけると言われている県民でw、その文化は淡路島の特に南の方にも浸透していて、すだち醤油でお漬物に白ごはんなんて食べ方が島ではポピュラーなんです。それもホントに美味しい。だからさっぱりしたシャリの海鮮ちらしにも合わないわけがないんですよね。しらすとすだち醤油とシャリのハーモニーとかほんと幸せって感じですよ。作ってる僕が言うのもなんですが。w

(うん。これは確かに美味しいですね。海鮮との相性もバッチリで。ていうかどの味も美味しい。いやー楽しいですね。)

河津料理長:で実際にこのシャリに変えてから、上の具だけ取ってというパターンがなくなって、ちゃんとシャリもなくなるようになって。お客様からも好評で嬉しいです。

(そういえば今回、このシャリの味を再検討するにあたって、島の調味料の生産者に取材に行ったって伺ったんですが。)

河津料理長:そうなんですよ。それまでは淡路島でとれた海鮮や野菜なんかの具材にばかり目がいってたんですが、味付けも重要なんですよね。今回は特にちらしというシンプルな料理だからこそ、調味料にもこだわってみようと。そしてあらためて勉強しなおしてみようと「センザン醤油」さん、「キッコー酢」さん、そして「自凝雫塩」さんに直接出向きました。醸造所の中を案内していただきながら、100年以上も前から続く、職人さんたちのこだわりや、美味しい食べ方など、いろんなことを教えて頂きました。

(そうなんですね。)

(以下、後編へ続く。西日本大会に出品した2品目の「すまし」の話や、西日本大会の結果発表や当日の現場の様子も含んだ「朝ごはんフェスティバル(R)」の真実が明らかに!?)

遂に公開!怒涛の後編はこちら
http://www.kaigetsu.jp/blog/?p=7211

*************************************************************************

ことしもエントリーしてます!投票お願いします!
楽天トラベル主催

朝ごはんフェスティバル(R)2016 ユーザー投票受付中!

2016年8月31日 16:49まで!

jiman1
http://travel.rakuten.co.jp/special/asafesta/2016/breakfast/1675.html


The following two tabs change content below.
編集長 ちゃんくり

編集長 ちゃんくり

編集長/クリエイティブ・ディレクター/カメラマン株式会社かいげつ/Kurage lab
淡路島出身。大学を卒業後、外資系販売会社を経て、淡路島に帰還。ウェブ関係の仕事をしつつ、縁あって2004年頃から淡路島の某ホテルのウェブマーケティングのお手伝いを開始。2012年より現職。他にカメラ/デザイン/企画などなんでもやっているのでクリエイティブ・ディレクターとカッコつけてますが、訳すと何でも屋です。趣味は美味しそうな食べ物の写真を眺めること。クラビング。コーヒーなど。海月館グループITCセールス&マーケティング室長/海月館グループWEB販売研究所KURAGE LAB所長。

おすすめ記事

 - 海月館, 海月館からお知らせ, 海月館のいろいろ, 淡路島, 淡路島のグルメ